複数の仕事を請け負う自負
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「私の財産告白」を読む
最近読んだ本のご紹介です。
本田静六「私の財産告白」です。
友人から「私は本多静六を参考に貯蓄をしている!」とお薦めされた本です。
本多静六は明治神宮をはじめとして、日比谷公園など全国で60以上も公園植栽の設計を手かげた人物です。苦学して、東大教授になりましたが、「月給四分の一天引き貯金」を実行して、投資をして、財を成しました。
面白いエピソードは、本多静六が学士会に寄付をしたときに、金額が少ないことではなく、多すぎるということで大学同僚から非難の的になるというものでした。これをきっかけに本多は大学に辞職勧告を受けます。でも、結局同僚がお金の出どころを確認しに本多の家に訪れると、家計簿と貯金簿に仔細にお金の入出金が記録されており、本多のお金の出どころに全く不審な点はなく、結局その同僚が家計簿の付け方を教えてくれと頼むという顛末でした。
副業・復業の心得
また、本多は沢山の著作を残しており、この「私の財産告白」をはじめ、毎日一日一頁原稿を書くという「アルバイト」の成果だと紹介しています。本多は大学教授ですが、こうした執筆作業は「アルバイト」で「学問の切り売り」と表現しています。ただ、決して卑下しているわけではなく、むしろ毎日のルーティンで稼ぎにしている点でアルバイトへの自負を語っています。
コツコツと毎日の積み重ねの大事さ、アルバイトなどの副業・複業のススメなど、日本版の自己啓発本の元祖っぽい感じで面白かったです!また、文章中に渋沢栄一や桂太郎がサラッと紹介されていたりして、近代の歴史物としても読めます。
私設図書館「シン図書館」のご案内
シン設計室が運営している私設図書館でも今回紹介した本も閲覧・貸出し可能です。詳しいアクセスやご利用案内は下記からご確認ください。