出会いとは、敵と出くわすように大変なこともあるけれど

「心はどこへ消えた?」を読む

最近読んだ本のご紹介です。

東畑開人「心はどこへ消えた?」です。臨床心理士である著者のエッセイ本になります。

著者が実際にクライエントとのカウンセリングでの体験を交えつつ、エッセイが綴られています。

印象的だったのは、臨床心理士である著者と、クライエントと穏やかにカウンセリングが進んでいるときは、あまりクライエントの根本の問題が表立って出てこないのだけれど、根本の問題に触れ始めると穏やかさがなくなってくるということでした。

既定路線の上にいるときに人は取り繕えるけど、そこから外れ始めるとクライエントの人間らしさと一緒に根本の問題も滲み出てくるのだなと思いました。

出会いとは、敵と出くわすこと

この本の中に「出会い」を意味する“Encounter”という言葉の語源は「敵と出くわす」というものだと紹介されています(よくRPGゲームとかでも、敵とエンカウントするとか言いますよね)。

著者とクライエントはカウンセリングが本格的になってくると、お互いの存在で傷つけあっているようにも見えますが、クライエントにとっては「敵と出くわす」ように辛い体験かもしれないけれど、それがなければ著者や自分の傷にも「出会う」ことはないのだなと思いました。

私設図私設図書館「シン図書館」のご案内

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