可塑性に富んでいる人が蝶番となっている
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「『つながり』の精神病理」を読む
最近読んだ本のご紹介です。
中井久夫「『つながり』の精神病理」です。
去年心理学を教える友人から、図書館開館記念にプレゼントしてもらった本です。友人も読んだことないけど、なんとなくタイトルからパッと選んだくれたそうです。
中井久夫は日本の精神病理学を代表とする人物らしく、著作も豊富です。この本も「中井久夫コレクション」の中の一冊です。
タイトルからなんとなく、ちょっとふわっとした話しなのかなと思っていましたが、専門家らしく超ドライに、でも語り口は平易に「つながり」について説明している本でした(ちなみにコレクション本なので、「つながり」に関係する中井の原稿を集めた感じの本です)。
患者の方が家族よりも可塑性に富んでいる
興味深かったのは、「一般的に患者の方が家族よりも可塑性に富んでいる」という指摘でした。患者は家族の中で、最もひねくれてもいなく健康な場合が多く、家族をまとめる役を幼い時から引き受けている場合が多いということでした。
この本は「家族」についての話しも多かったですが、読んでいると「家族」という存在のままならなさを感じました。
自分の専門とは違う本でしたが、こういう自分の全然知らない分野の本を読むのも勉強になるな〜と思って、プレゼントしてくれた友人に感謝です!
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