中村拓志「狭山の森 礼拝堂」

今日は中村拓志さん設計の「狭山の森 礼拝堂」を紹介します。こちらは私の地元の狭山湖畔霊園内にあります。

2本の柱を互いに立て掛け合う扠首(さす)構造で新しい合掌形式を実現したものになります。見上げると柱が2本ぶつかった構造になっているのがよくわかります。

室内は照明や空調などが一切見えないミニマルな空間となっています。機械設備は全て床下に収められています。

屋根を覆うのは、川口市の鋳物職人たちと共同で開発した、大きさ180×200ミリ、厚さ4ミリのアルミ鋳物です。手作りされた各板は1枚ごとに表情が異なります。作品集を拝見すると、割付も細かく指示されており、ランダムに割付られているようで、細部までコントロールされることがわかります。一体この屋根だけでどれだけの工事費用がかかっているのか…と思うほどに手の込んだ建物になっています。

竣工時と違い、屋根はこけなどが生えていますが、いい経年変化だなと思いました。